こんにちは、はんベぇ(@hanbe_fukui)です!
新規就農を目指し、大阪から先祖が住んでいた福井県に地方移住しました
今回の内容は、農業を始めるにあたって学習を開始した、
「農業簿記(農業簿記検定)3級」についてです
今回は、
- 決算書の作成
について学習しましたので、こちらの内容が中心になります!
※今回の内容がインプットとしては最後の内容になります
(前回の記事はこちらです)

少しでも、これから農業簿記の学習を始める方、農業簿記に興味がある方のお役に立てれば幸いです
それでは内容に参ります!
なぜ農業簿記を学習しているの?
(こちらの記事からどうぞ!)

決算書の作成
農業簿記3級の最後の内容は、決算書の作成についてです
ここまで、簿記の基本から「収益」「費用」などの仕訳、固定資産の取り扱いなどを学習しました
ここでは「決算書」とは、
- 損益計算書
- 貸借対照表
の2つの書類を言います
※他にはキャッシュ・フロー計算書などがあります!
損益計算書は「一定期間の経営成績」を表し、
貸借対照表は「一定時点の財政状態」を表します
この2種類の書類を作成することで、会社の経営成績・財政状態を把握できるようになります
基本的には毎年「日々の取引〜決算書の作成」を行なっていくのですが、その流れはこんな感じです
- 日々の取引を把握(簿記の世界の取引)
- 仕訳→仕訳帳や伝票に記載
- 総勘定元帳へ記載
- 試算表の作成
- 損益計算書・貸借対照表の作成
といった流れになります
この試算表を完成させるために、日々の仕訳に加えて、
「決算整理仕訳」
というものを行います
ここからは、「決算整理仕訳」について簡単に触れていきます
決算整理仕訳
決算整理仕訳は、名前の通りなのですが、
「決算時」に行う仕訳のことです
※決算時以外には行わない仕訳、とも言えます
具体的にどのようなものがあるかというと、
- 棚卸資産の処理
- 減価償却費の計上
- 「費用」の繰延べ
などが該当します
今回は、
- 棚卸資産の処理
- 「費用」の繰延べ
について記載したいと思います
棚卸資産の処理
棚卸資産の処理については、
- 農産物
- 肥料などの原材料
に分けて考えていきます
農産物の棚卸し
農産物というのは、収穫が行われ「未販売の状態」をいいます
期末(12月31日)時点で、未販売の農産物については、
その「数量✖︎単価」の金額を計算します
この計算した棚卸高(期末に残った分)については、下記のような仕訳を行います
(借方)農産物 1,000 / (貸方)期末農産物棚卸高 1,000
貸方に計上された「期末農産物棚卸高」は収益として計上されます
※農業特有の考え方
棚卸高が収益として計算されるのは、所得税では「収穫した時」に収益があったと考えるためです(「生産物」は収穫され未販売の状態です!)
そのため、計上する金額は「原価」ではなく「売値」で計算されます
また、期首(1月1日)の時点で、昨年の棚卸資産を引き継いでいた場合には、その分の収益は昨年計上されていますので、今年の収益からはマイナスする事になります
仕訳はこんな感じです
(借方)期首農産物棚卸高 2,000 / (貸方)農産物 2,000
このように、「期首」と「期末」の棚卸資産について決算整理仕訳を行います
ここまでが「農産物」の棚卸しについてです
肥料などの原材料の棚卸
続いて、原材料の棚卸についてです
農産物と同様に、「肥料」や「農薬」などについても棚卸を行います
期末(12月31日)時点で、未使用の肥料などについては、下記のような仕訳を行います
(借方)原材料 500 / (貸方)期末材料棚卸高 500
貸方に期末材料棚卸高を計上し、未使用の原材料については、今年の費用からマイナスします
また、期首(1月1日)の時点で、昨年の原材料を引き継いでいた場合には、その分の費用は昨年計上されていません(マイナスしている)ので、今年の費用にプラスする事になります
仕訳はこんな感じです
(借方)期首原材料棚卸高 700 / (貸方)原材料 700
原材料も農産物と同様に、「期首」と「期末」の原材料について決算整理仕訳を行います
農産物の取り扱いは知りませんでしたので、大変勉強になりました
(余談ですが、税務調査では棚卸資産を指摘するのが得意でしたので、勉強していて楽しかったです笑)
最後は「繰延べ」についてです!
「費用」の繰延べ
先に結論のようなものをお伝えすると、ここは日商簿記と同じ処理・考え方をします
例えば「保険料を1年分前払いした」場合などです
1月1日〜12月31日の1年分だと問題にならないのですが、
「10月〜来年9月までの保険料を1年分前払いした」場合などは、決算整理仕訳が必要になります
この場合ですと、1月〜9月分は翌期分です
そのため、翌期分の保険料を今期の費用からマイナスする処理を行います
前払い分の1月〜9月分の保険料が900円とすると、仕訳はこんな感じです
(借方)前払費用 900 / (貸方)支払保険料 900
このように、支払保険料をマイナスする仕訳を行います
(費用科目が貸方にきているので、費用が減少します!)
今期の費用からはマイナスされますが、当然翌期の費用には計上されます
翌期の最初に行う仕訳はこんな感じです
(借方)支払保険料 900 / (貸方)前払費用 900
さっきの決算整理仕訳と逆ですね(再振替仕訳と言います)
このように、今期の費用(収益)なのか?翌期の費用(収益)なのか?を計算し、決算整理仕訳を行ないます
前払費用などは苦手にしている方も多いと思いますが、例えば保険料を毎月支払っている場合はどうでしょう?10~12月分だけが今年の費用になることはわかりますし、来年3月分などはそもそも今年の計算に関係ないというのも何となくわかるのではないでしょうか?
簡単にですが、費用の繰延べについて記載させていただきました
ここまでで「農業簿記3級」のインプットが終了しました
この後は問題集を1周やって、早速過去問に取り組もうと思っています!
その体験談も記事にしようと思っていますので、よろしければご覧頂ければ幸いです
ここまでお読み頂きありがとうございました!