国税専門官

なぜ!?調査先から「また税務調査に来て欲しい」と言われた理由【元国税】

こんにちは!
はんベぇ(@hanbe_fukui)です

新規就農を目指し、大阪から先祖が住んでいた福井県に地方移住しました

今回の内容は、私が国税専門官として税務調査をしていた当時、

また税務調査に来て欲しい」と言われた理由

についての記事になります

筆者は元国税専門官です
約5年4ヵ月勤務し、自己都合で退職しました

100社弱の法人に、税務調査でお邪魔しました

おおよそ、嫌い・苦手な人が大多数の「税務調査

「どんな調査官が来るのだろう。。。」

「仕事で忙しいから調査の対応が辛い。。。」

「税務調査って何をされるかわからない。。。」

などなど

税務調査が歓迎されるなんて話は、もはや都市伝説レベルです笑

しかし、私は国税専門官時代に税務調査を行なっていた約3年間で、

また税務調査に来て欲しい

と社長・税理士から何度か言われたことがあります

ただでさえ嫌われている税務調査。。。

はたして、なぜ社長・税理士はそのようなことを言うのでしょうか?

今回はその理由について記載したいと思います

大きく3つの理由を記載します!

嫌味や皮肉で「また来てね」と言われたことはノーカンです笑

(「国税専門官になった経緯」はこちらの記事からどうぞ!)

なぜ国税専門官になったの?志望動機と私の公務員試験の結果 こんにちは、はんベぇ(@hanbe_fukui)です!新規就農を目指し、大阪から先祖が住んでいた福井県に地方移住しました ...

(「公務員を辞めた理由」についてはこちらです)

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それでは内容に参ります!

理由①:社内(経理)の引締め

まずは1つ目の理由です

これは、会社の代表(社長)から言われた言葉です

「たまに来てくれると、社内が引き締まるからまた来てね」

こちらの社長の言葉を聞いて、どういう事かわかりますか?

税務調査では、社長などの役員や税理士と話すことがメインなのですが、

会社の経理担当者

と話すこともよくあります

「社長が経理を自分でやっているパターン」と「経理を誰かに任せているパターン」で分かれるのですが、経理を社員や別の役員に任せているパターンは結構多いです

税務調査では、当然「会社の経理処理」を中心に確認します

そのため、社内の経理部門や経理担当者とやり取りをするようになるのですが、

  • なぜその経理処理なのか?
  • どのような流れで経理処理をしているのか?
  • それを証明する書類は?

などと、国税側の質問に応対する必要があります

(いじめているようにも見えますね。。。)

基本的には、毎年税務調査が行われることは極めて稀ですので、会社側も油断といいますか、毎年ピリピリすることはないと思います

そのため、前回の調査から間が空いていた場合に調査が入ると、会社側(経理担当者)はかなりピリッとします

普段から経理などをしっかりされている場合も当然あると思いますが、やはり税務調査が入るとなると緊張感が生まれます

  • 自分以外に経理を任せている社長
  • 経理をしっかりやって欲しい税理士側

としては、普段から「より緊張感を持って経理業務をやって欲しい」と考えています

そのため、

「社内が引き締まるからまた来てね」

と言われたのだと思います

こちらが1つ目の理由でした

(経理担当者さんは大変だと思います。。。)

理由②:社内の不正の発見

続いて2つ目の理由です

こちらも、会社の代表(社長)から言われた言葉です

過去の税務調査で、不正をしていた社員を見つけてくれたから、また来てね」

少し規模が大きめの法人でした

こちらは意味合いとしては、文字通りの意味です

過去の税務調査で「売上の一部を自分の懐に入れていた社員」が見つかったことがあったそうです

実は、これはそんなに珍しいことではありません

たまにこのような国税局の調査がニュースになっていますし、私自身も1度見つけたことがあります

社員の着服などが多いです

調査官は、普段から「怪しい取引」「イレギュラーな取引」に目を光らせています

税務調査では、取引の流れを会社からしっかり聴取し、怪しいと思った取引については事実関係をよく確認します

もちろん「経理が正しく行われているかどうか」を確認するのですが、その流れで「社内の不正な取引」を見つけることがあります

この場合の調査結果への影響(主に修正申告)は難しいのですが、このような不正を見つけると、会社(社長)からは「感謝される」ことになります

そういうこともあって、

「不正をしていた社員を見つけてくれたから、また来てね」

と言われます

調査官は警察ではないのですが、仕事柄そういう取引を見つけるのが得意なので、たまに「調査に来てくれると喜ばれる」ということになります

こちらが2つ目の理由でした

理由③:会社の取引・経理の流れがよくわかった

続いて最後の3つ目の理由です

最後は、これまでの2つの理由と少し毛並みが違います

これは社長からも言われたことがあるのですが、どちらかと言うと、税理士税理士事務所の事務員さんから言われることが多かったです

「会社の取引・経理の流れがよくわかりました。定期的に来て欲しいです。」

これは、全ての調査官が言われることではないと思います
少し自慢させて下さい笑

私にとっては、調査官として「最高の褒め言葉」でした

会社の業務は、色々な人が関係しています

  • 社長や役員
  • 営業部門
  • 製造部門
  • 総務部門
  • 経理部門
  • etc…

そして、税理士や税理士事務所の人々

製造部門が行なった作業について、経理部門が仕訳などの経理を行います

製造部門、経理部門の人たちにとっては、通常の業務のやり取りであったとしても、

実際にどのようなやり取りを行なっているか

について、社長や税理士側が把握していないことが結構多いです

もちろん、社長も税理士側も数字の「最終的な資料」については、目を通していることが多いです

しかし、社内での細かい資料や原始資料については、知らない(見ていない)ことが多いのです

そこで、税務調査が入ります

税務調査では「総勘定元帳」などの「最終的な資料」にももちろん目を通します

しかし、着眼点としては「最終的な資料の前の段階の資料」である「原始資料」に注目します

最終的な資料は表面上は当然「正しく」なっています

この原始資料や実務での仕事内容を確認し、最終的な資料と間違いがないかを確認することで、問題点を指摘したりすることになります

自分で言うのもアレですが、私は「仕事内容の聴取」が得意でした

どういったことをやっていたかといいますと、業務の流れを細かく聞きました

極端な例ですが、製造業(加工業)の場合ですと、

  1. 最初に仕入れた金属を10cmの長さに切る
  2. 購入した部品を取り付ける
  3. 部品を取り付けた金属を再度切る
  4. 色つけが必要な場合は外注先に依頼する
  5. 納品は外注先から持っていく・自社のトラックで持っていく
  6. 納品書の控えを保管する

などといった業務の流れをとにかく細かく聴取します

(現場では、もっと細かく聴取していました!)

細かく聴取していくと、社長でさえ、答えられる範囲を超えてくるケースが増えてきます
(税理士はほとんど知りません)

これは、社長の仕事を批判しているわけではありません

会社が大きくなればなるほど、全てを把握すると言うのは厳しいと思います

このように細かく仕事内容を会社の従業員さんから聴取するのですが、この話を社長や税理士側も当然一緒に聞いています

こんな感じで現場の業務内容経理処理について従業員さんに細かく聴取していくと、税理士や税理士事務所の事務員さんから「知らなかった」「こうなっているんですね」と言った感想を頂きます

その結果「会社の仕事内容や経理業務がよくわかりました」と言ってもらえ「また来てください」と言われることがありました

定期的に会社とやり取りをしている税理士事務所でも、知らない事は結構あるという事です

社長や税理士から感心されることもありましたし、調査が抜群にできる上司からも褒められた事があるので、きちんと会社の事を聞けていたのだと思います
(経験が浅いときは、変なことも聞いてしまっていましたが笑)

長くなりましたが、こちらが3つ目の理由でした

社長や税理士から「感心されるほど」業務内容を聴取できると、ある可能性がかなり高くなります


調査に行く2日間でこの状態に達するのはかなり厳しいですが、この時点で、ある意味社長や税理士より会社の事をよく知っているのです


残念ながら、調査で「否認」(問題点を指摘)される可能性がグッと高くなります(ほぼ100%)


どこに目をつければ数字が出る(否認できる)かわかるようになるためです



なお、うっすら気づいておられるかもしれませんが、私の「調査成績」は良かったです!
※もちろん周りのサポートがあってこそですが

如何でしたでしょうか

いつも嫌われている税務調査ですが、このように「また来て」と言われるケースもありました

正直このような事を言われたときは「複雑な気持ち」でしたが、色々な面で会社のお役に立てる事を知って、少し嬉しかったです

ここまで3つの理由を記載しましたが、最後に番外編として1つ記載したいと思います

番外編:寂しいからまた来てね

これは、結構頻繁に言われました笑

番外編にしているのは、上の3つと「理由」が明らかにジャンルが違うからです

この理由は特に説明が不要だと思うのですが、

  • 年配の経営者
  • 社員が少ない会社

などの会社に行ったときは、よく言われていた気がします
(冗談だと思いますが、引き抜きを提案された事も何度かあります笑)

これは、正直言われると結構「嬉しかった」です

税務署の人間というハードルを超えて「会いたい」と言ってくれているので、尚更そう思いました

もちろん仕事(調査)はきちんとやっていましたが笑

ここまでお読み頂きありがとうございました

それでは!

ABOUT ME
はんべぇ
大阪から福井へ移住したアラサー。 国税職員→エンジニアを経て、農業経験0から新規就農を目指しています。 夢は「独立し法人を経営すること」 地方へ移住し、農業を始めて体験した事、学んだ事をメインに発信する雑記ブログを運営しています。 地方移住のリアル、非農家が農業を始めた結果などを書き留めていきます。